インターネット上の疫学研究フィールドの作成を目指した食品画像サイト「そざい屋さん」の広報活動

発表（発表時間7分 質疑応答3分）

今からインターネット上の疫学フィールドの作成を目指した食品画像サイト「そざい屋さん」の広報活動について報告します。

はじめに目的です。

まずはそざい屋さんの運営目的です。
運営目的は主に2つあります。管理栄養士など食に携わる人へのサービス向上とWeb調査を行うことです。

1つ目の運営目的であるサービス向上のために、そざい屋さんは利用制限や会員登録なしで全て無料で利用できるようにしています。食品成分表を参考に食品を18カテゴリーに分類し、232種類、1465枚の画像を掲載しています。

また様々な場面での利用を想定し、レシピ作成や教育媒体の作成に便利な写真が豊富にあります。
様々な切り方や丸ごとの食品画像があり、全て背景が透過されています。また、実寸大で印刷もできます。

2つ目の運営目的のWeb調査行うではそざい屋さんのユーザーを対象にWeb調査を行うことで食に携わる人の悩みやニーズを把握することです。

運営目的のサービス向上のためには多くの人に活用してもらうこと、Web調査を行うためには標本数を増やすことが必要です。どちらにも共通して言えることは多くのそざい屋さんのユーザーが必要であるということです。そのため広報活動によりそざい屋さんのユーザーを増やすことを目的としました。

次に方法です。ユーザーを増やすためにTwitterによる広報活動を行いました。

本研究活動の流れについて説明します。はじめに情報収集により、広報媒体の作成の準備をします。続いて広報媒体を作成します。そしてTwitterに投稿します。1週間投稿を続け、フォロワー増加数、反応が良かった投稿の振り返りを行い、次の週の活動内容を決定しました。

具体的な解析方法についてです。まず、1つ目の広報効果の検討では、全期間である197日間のそざい屋さんのユーザー数、Twitterのフォロワー数、投稿閲覧数を解析しました。2つ目の広報手段の検討では、期間を10月1日からの31日間とし、広報効果に効果的な投稿内容を検討しました。そのためのカテゴリーについて説明します。

広報活動に効果的な投稿内容を探るためにTwitterの投稿を5つに分類しました。カテゴリーはサイトの紹介、研究活動の様子、教育媒体、料理、リプライに分けました。

次に、広報効果の検討結果です。

そざい屋さんの1日あたりのユーザーは、昨年度は6.2人でしたが、今年度は4.4倍の27.4人のユーザーを獲得することが出来ました。全期間では5400人もの人にそざい屋さんを利用していただきました。

Twitterのフォロワー数の推移についてです。開始時点のフォロワー数は196人でした。197日間の広報活動により1005人に増加しました。

次に広報手段の検討結果です。

カテゴリー別のTwitterの平均投稿閲覧数の比較ではサイトの紹介が最も多かったです。次に活動の様子、教育媒体、料理、リプライという結果でした。

次に投稿閲覧数上位25件のカテゴリーについてまとめました。結果の通り、教育媒体が最も多く、上位25件の40％を占めていました。リプライやサイトの紹介、活動の様子は20％前後でした。

次に考察です。

私たちはそざい屋さんのユーザーを増やすために研究を行いまいした。その結果、そざい屋さんのユーザーが1日あたり27.4人と昨年の約4.4倍に増加したこと、これは総ユーザー数5400人にあたり、研究目的を達成できたと考えられます。

次に今後の展望です。

これまでの広報活動で5000人以上のユーザーを獲得することが出来ました。しかし、さらに多くの人に活用してもらい、さらにWeb調査の標本数を増やすことが望ましく、より多くのそざい屋さんのユーザーを獲得することが課題となります。

Twitterフォロワー数1000人以上という数字は、全利用者の上位20％に位置し、活動前に比べ情報発信力が強くなりました。今後もTwitterをさらに活用することにより、より多くのユーザーの獲得が期待できます。

一方、ユーザーのニーズに合った投稿や情報の発信した教育媒体が投稿閲覧数上位25件のうちの40％を占めていました。教育媒体が最も効果的な広報手段であると考えます。

さらに活動の様子を、サイトの紹介や教育媒体に加えて発信していくことが必要だと考えます。一方的に情報を発信するだけでなく私達のことを知ってもらうことで、活動を応援してくださる人の増加につながることも分かりました。

結論です。Twitterによる広報活動の結果、そざい屋さんのユーザーを4倍以上に増加させることが出来ました。今後さらにユーザーを増加させるために、私たちの広報活動により、より強力な情報発信ツールとなったTwitterを活かし、サイトの紹介や教育媒体の発信に加えて活動の様子を発信していくことが重要だと考えます。

そざい屋さんの素材を使ってパンフレットを作ったので、ぜひ活用してください！

ご清聴ありがとうございました。

質疑応答

食に携わる者→管理栄養士以外にどんな人を想定しているか？

栄養士や管理栄養士を目指す学生、調理師、フードコーディネーター、食品会社に勤める方など食に関わる人全般です。食に携わる者でなくとも誰でも気軽に使って欲しいと思っております。

232種類とあるがまんべんなくあるのか、弱いところがあるのか？

まんべんなくありますが、野菜や果物、魚介類は特に種類が多いです。まだない食材もあるので、もし欲しい食材があればリクエストお待ちしています。

1種類あたり6枚くらいになるが、どんな写真があるのか？

丸ごとの写真、切った状態の写真やヘタなど普段は捨ててしまうようなものもあります。また、同じ食品でもいろいろな角度から撮影した写真を掲載しています。ぜひそざい屋さんをチェックしてみてください。

切り方にはどんな種類があるのか？

みじん切り、千切り、輪切り、イチョウ切りなどがあります。

背景透過・実寸大のメリットは？

媒体作成の時に背景を気にすることなく作成でき、画像同士を重ねられるためデザインの幅が広がります。ぜひ、そざい屋さんの画像を使用して媒体作成をしてみて下さい。 主に栄養指導などで実際の食品の大きさを示すことができます。

悩みやニーズ→どんなことを把握して、どうする予定なのか？

悩み→給料、仕事に関する悩み、転職率、人間関係など）こういったことを聞けたらいい。Web調査の利点を生かし、悩みの傾向を掴み、仮説立案、問題提起をすることが目的です。

広報手段でTwitter以外のSNS(FacebookやTikTok など)は視野に入れていないのか？

視野に入れています。動画を使った広報活動に取り組んでいく予定です。

変わった写真やあまり一般的ではない写真が掲載されているのはなぜか？

捨ててしまうようなヘタや種といった写真も手に入るのがそざい屋さんの特徴です。また、料理の写真などは広報活動の一環で撮影したものを掲載しているので偏りがあります。今後、食材だけでなく料理の写真も増やしていく予定です。